人と、川・アユの関係研究所

人と、川・アユ(意見)

天然アユを増やす取り組み(事例集)

更新日:2013年10月
事例3 小わざ魚道を造る(鳥取県日野川)
日本の各地に造られている魚道があまり効果的でないことは古くから指摘があるが、残念ながらあまり改善できているとは言えない。原因の一つは、海外で開発された形式の流用であるために、必ずしも日本の川にはマッチしていないことにあると考えている。
ところが、山口県土木部と浜野龍夫さん(現徳島大学)らが開発した「小わざ魚道」は、まさに日本の川にジャストフィットの魚道。おまけに、建設費は通常の魚道の数分の1から、場合によっては1/10にまで押さえることができる。
小わざ魚道の形式は扇形の「粗石付き斜路式魚道」だが、植石の仕方がこれまでのものとは決定的に違う(写真3、4)。小わざ魚道の絶大な効果の秘密はまさにここにある。
私も全国各地でこの魚道の設計から施工管理を行ってきて、その効果には自信があるので、各地の河川でお奨めしている。全国にあまたある農業用の堰堤や落差工の魚道の改修には、工費が安いことが大きなメリットになる。

  • 日本の河川にとてもマッチしている魚道である。
  • 建設費が著しく安いため、建設費の捻出が難しい農業用の頭首工などでも取り組みやすい。
  • 専門的な設計は省くことができ、設計費分もコストダウンできる。
  • 施工は比較的簡単で、地元の小規模な業者さんでも十分施工可能。

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