アユの生態等調査
アユの遡上範囲や分布密度、産卵状況、ふ化仔魚の流下、ふ化日(日齢査定)、天然アユと放流アユ(人工アユ)の比率調査等を行い、アユの生態情報を整理します。
このような基礎的情報は、アユを増やすうえで重要な知見となります。
潜水による目視観察。
まず、川に入って観察することを何よりも大切にしています。
このような基礎的情報は、アユを増やすうえで重要な知見となります。
- 奈半利川アユ資源保全基礎調査業務委託(2004年~現在;電源開発株式会社)
- 天竜川アユ資源保全調査(2006年~現在;天竜川漁業協同組合)
- 揖保川及び矢田川における遡上稚魚ふ化日解析、矢田川におけるアユの生息状態調査
(2010年~2012年;兵庫県内水面漁連) - 宮川アユ遡上特性調査業務委託(2012年~2013年;三重県企業庁)
- 江の川河口域におけるアユ仔稚魚の生態調査
(2012年~2015年:島根県水産技術センター) - 五ヶ瀬川アユ資源調査(2015年:宮崎県)
- 朱太川水系アユ生息状況調査(2016年~現在;北海道黒松内町)
- 野根川アユ生息状況調査
(2016年~2018年;NPO法人 ウォーターズ・リバイタルプロジェクト) - 四万十川中流域におけるアユの放流効果調査(2018年;高知県四万十町)
潜水による目視観察。
まず、川に入って観察することを何よりも大切にしています。
群れアユとなわばりアユ
アユの産卵
漁場(河川環境)診断
アユが減る理由は川によって様々です。上流のダムの影響で下流の産卵場が荒廃したケース、遡上を阻害する堰堤のために川の生産力を活かしきれなくなったケース、付着藻類を食べる水生昆虫の異常繁殖によってアユが忌避するケース、川底が老化したケース、改修工事で川の自由度が低下したケース等々。このようなアユが住みにくくなった原因を調査し、アユを増やすために必要不可欠な漁場診断(現状把握)を行います。
また、漁場を効率よく管理するうえでは、漁場の面積と川に応じた適正生息密度から望ましい収容数(適正生息数)を把握することが大切です。このデータがあれば漁場(河川)の収容力を考慮した効率的な種苗放流も行うことができるようになります。このような適正生息数の算定(詳細、簡易)も必要に応じて行います。
また、漁場を効率よく管理するうえでは、漁場の面積と川に応じた適正生息密度から望ましい収容数(適正生息数)を把握することが大切です。このデータがあれば漁場(河川)の収容力を考慮した効率的な種苗放流も行うことができるようになります。このような適正生息数の算定(詳細、簡易)も必要に応じて行います。
- 九頭竜川水系日野川アユ資源保全調査(2008年;福井県内水面漁業協同組合連合会)
- 佐々川漁場診断調査(2010年・2019年;佐々川内水面振興協議会)
- 島根県静間川漁場診断調査(2012年~現在;NPO法人緑と水の連絡会議)
- 五ヶ瀬川アユ漁場診断および生息状況調査(2013年~2014年;五ヶ瀬川漁協)
- 相模川・中津川の適正放流数の検討(2013年;相模川漁連)
- 神戸川にアユを増やすための調査(2014年~2015年;神戸川漁業振興会)
- 天然アユを指標とした富士川の環境保全調査(2014~2015年:株式会社アイエイアイ)
- 一ツ瀬川漁場診断調査(2018年~2019年;宮崎県)
- 九頭竜川中流部(勝山地区)アユ漁場環境調査
(2018年~2020年;勝山九頭竜川環境ネットワーク/勝山市漁協)
礫間が砂で目詰まりして産卵できなくなった河床
トビケラ類の異常繁殖。石面の付着藻類が無くなり、アユが定着しなくなる。潜らないと分からない川の病状です。
魚道の機能が悪く、遡上阻害要因となっている堰堤
天然アユを増すためのプラン立案・技術指導
漁場診断調査の情報をもとに、その川の特性に応じた「アユを増やすためのプラン」を具体的に検討します。プランには過去の成功・失敗事例から抽出した情報を盛り込み、実現性の高いものにします。
プランを具体化する際に必要な技術(例えば産卵場の造成、魚道づくりなど)は、実際に現地に出向いて、技術指導も行います。
プランを具体化する際に必要な技術(例えば産卵場の造成、魚道づくりなど)は、実際に現地に出向いて、技術指導も行います。
- アユ資源回復調査業務(2005年~2006年;鳥取県)
- 吉野川にアユを取り戻すための基礎調査(2006年~2009年;奈良県漁業協同組合連合会)
- 日野川アユ資源保全調査(2007年~現在;日野川水系漁業協同組合)
- 奈良県内ダム湖産天然アユ資源活用対策資源基礎調査
(2009年~2011年;奈良県漁業協同組合連合会) - アユ産卵場調査及び適正生息数推定業務委託
(2008年~2014年:島根県水産技術センター) - 奈良県内ダム湖産天然アユ資源活用対策資源基礎調査
(2009年~2011年;奈良県漁業協同組合連合会) - 朱太川水系アユ生息状況調査・保全計画作成業務委託
(2011年~2015年;北海道黒松内町) - 天神川アユ漁場環境保全対策検討業務(2017年~2018年;鳥取県栽培漁業センター)
釣り人や一般市民も参加する産卵場造成
魚道の効果判定および設計・施工管理
日本の河川にはたくさんの堰堤が造られていて、大なり小なりアユの遡上を阻害しています。遡上を阻害されたアユは限定された生息空間しかないために、成長不良を発端に漁獲不振(釣れない、小さい)、産卵量の減少(翌年資源の減少要因)といった大きな問題を引き起こします。まずは、遡上阻害の実態を科学的に診断しましょう。
遡上阻害の原因として多いのは魚道の構造上の不備です。日本の魚道の技術的なレベル(意識的なレベルも)が低いのは、その多くが欧米の物まねで作られてきたことに原因があるようです。ところが、最近、日本の川に合うと確信できる魚道が開発されました。浜野龍夫さん(現徳島大学教授)や山口県の河川課が共同で開発した「小わざ魚道」です。建設費はきわめて安いのに、驚くほど魚が上ります。浜野さんらと情報交換をしながら、各地の河川で「小わざ魚道」の設計と施工管理をしています。
遡上阻害の原因として多いのは魚道の構造上の不備です。日本の魚道の技術的なレベル(意識的なレベルも)が低いのは、その多くが欧米の物まねで作られてきたことに原因があるようです。ところが、最近、日本の川に合うと確信できる魚道が開発されました。浜野龍夫さん(現徳島大学教授)や山口県の河川課が共同で開発した「小わざ魚道」です。建設費はきわめて安いのに、驚くほど魚が上ります。浜野さんらと情報交換をしながら、各地の河川で「小わざ魚道」の設計と施工管理をしています。
- 新荘川魚道設置工事現地指導および魚道効果調査
(2008年;高知県須崎市農業振興センター) - 吉野発電所えん堤魚道改良工事に伴う施工管理委託(2009年;関西電力株式会社)
- 鳥取県内河川魚道改善案検討業務(2010年;鳥取県)
- 西の川他単独河川改良工事業務委託(魚道改良にかかる施工管理)
(2011年;奈良県吉野土木事務所) - 奈半利川田野堰魚道改修施工管理(2011年;木下建設)
- 日野川佐野堰魚道施工管理(2013年;鳥取県・環境建設株式会社)
- 神戸川窪田堰堤魚道改良(2014年:中国電力/井口組)
- 新荘川岡本堰魚道設計・施工管理(2014年~2016年:須崎市/青木建設)
- 西の川上桑原堰堤魚道詳細設計監修(2018年;近自然河川研究所/奈良県下北山村)
- 野根川大斗堰スリット化工事技術指導
(2018年; NPO法人 ウォーターズ・リバイタルプロジェクト/高知県東洋町)
施工中の小わざ魚道
水路タイプの魚道も「小わざ」の考え方で施工
市民ボランティアによる魚道改良
(費用はクラウドファンディングで)